FSSC 22000食品安全システム

ISO 22000をベースとした、より確実な食品安全システムのこと。ISO 22000をベースにISO/TS22002ー1(前提条件プログラム)など追加要求事項を加え、より確実な食品安全を実現するためにつくられた規格です。
FSSCが使用する定義は、2014年に発行された GFSI ポジションペーパー(Global Food Safety Initiative)に基づく、ベンチマーク規格の一つとして承認されており、世界の食品関連企業に支持が広がることが予想されます。認証登録は製造サイト単位です。

FSSC 22000は、食品安全の基本である前提条件プログラム(PRP)をより具体的にするため、食品安全マネジメントシステムISO 22000のPRPに関する要求事項を産業分野ごとに規定しており、フードディフェンス(食品防御)、フードフラウド(食品偽装)が含まれた規格です。

認証取得の効果

認証取得によって下記の効果が期待できます。

  • 従業員の食の安全・安心・信頼への意識向上
  • 食品事業における効率的な生産と全員参加
  • リスクマネジメントを考えた効率的な食の生産
  • 取引先要件を満たすことができる
  • フードディフェンス(食品防御)、フードフラウド(食品偽装)が含まれた規格の認証となるため、今まで以上に食の安全・安心・信頼を顧客に提供
  • 原料からエンドユーザーまでのサプライチェーンの管理が可能
  • 最終消費者に安全な食品を届けるためのフードチェーン全体にわたる効果的な外部コミュニケーションの構築が可能

FSSC 22000 Ver. 5.1の構成

食品安全マネジメントシステム(ISO 22000)、前提条件プログラム(ISO/TS 22002-1など)、追加要求事項次の3つで構成されます。

食品安全マネジメントシステム
(ISO 22000)

  • 序文
  • 1 適用範囲:フードチェーンのすべての組織に適用
  • 2 引用規格:この規格に引用規格はありません。
  • 3 用語及び定義:規格内で使われる用語と定義
  • 4 組織の状況:内部環境と外部環境について記載
    • 4.1 組織及びその状況の理解
    • 4.2 利害関係者のニーズと期待の理解
    • 4.3 食品安全マネジメントシステムの提要範囲の決定
    • 4.4 食品安全マネジメントシステム
  • 5 リーダーシップ:トップマネジメントがすべきことについて説明
    • 5.1 リーダーシップ及びコミットメント
    • 5.2 方針
    • 5.3 組織の役割、責任と権限
  • 6 計画:PDCAのPの部分。FSMSを回す上で必要な計画
    • 6.1 リスク及び機会への取り組み
    • 6.2 食品安全マネジメントシステムの目標及びその達成のための計画策定
    • 6.3 変更の計画
  • 7 支援:FSMSを回す上で必要な従業員への支援(教育等)について記載
    • 7.1 資源
    • 7.2 力量
    • 7.3 認識
    • 7.4 コミュニケーション
    • 7.5 文書化した情報
  • 8 運用:PDCAのDの部分。前提条件プログラム(PRP)やHACCPの内容
    • 8.1 運用の計画及び管理
    • 8.2 前提条件プログラム(PRPs)
    • 8.3 トレーサビリティシステム
    • 8.4 緊急事態への準備及び対応
    • 8.5 ハザードの管理
    • 8.6 PRPs及びハザード管理プランを規定する情報の更新
    • 8.7 モニタリング及び測定の管理
    • 8.8 PRPs及びハザード管理プランに関する検証
    • 8.9 製品及び工程の不適合の管理
  • 9 パフォーマンス評価:PDCAのCの部分。内部監査やマネジメントレビューの内容
    • 9.1 モニタリング、測定、分析及び評価
    • 9.2 内部監査
    • 9.3 マネジメントレビュー
  • 10 改善:PDCAのAの部分
    • 10.1 不適合及び是正処置
    • 10.2 継続的改善
    • 10.3 食品安全マネジメントシステムの更新
  • 付属書A(参考)CODEX USCCPとこの規格との対比
    付属書B(参考)この規格とISO22000:2005との対比

前提条件プログラム

ISO/TS 22002-1(食品製造業に適用)

  • 序文
  • 1 適当範囲
  • 2 引用規格
  • 3 用語及び定義
  • 4 建物の構造と配置
  • 5 構内及び作業区域の配置
  • 6 ユーティリティ-空気、水、エネルギー
  • 7 廃棄物処理
  • 8 装置の適切性、清掃・洗浄及び保守
  • 9 購入した資材の管理(マネジメント)
  • 10 交差汚染の予防手段
  • 11 清掃・洗浄及び殺菌・消毒
  • 12 有害生物の防除(ペストコントロール)
  • 13 要員の衛生及び従業員のための施設
  • 14 手直し
  • 15 製品リコール手順
  • 16 倉庫保管
  • 17 製品情報及び消費者の認識
  • 18 食品防衛、バイオビジランス及びバイオテロリズム
  • その他、前提条件プログラムに以下が設定されています
    • ・畜産業・水産業に適用:ISO/TS22002-3
    • ・ケータリングに適用:ISO/TS22002-2

ISO/TS 22002-4(包装資材の製造業に適用)

  • 序文
  • 1 適当範囲
  • 2 引用規格
  • 3 用語及び定義
  • 4 包括的前提条件プログラム
    • 4.1 施設
    • 4.2 配置及び作業空間
    • 4.3 ユーティリティー
    • 4.4 廃棄物処理
    • 4.5 装置の適切性、清掃・洗浄及び保守
    • 4.6 購入材料及びサービスの管理
    • 4.7 汚染の予防手段
    • 4.8 清掃・洗浄
    • 4.9 有害生物[そ(鼠)族、昆虫等]の防除
    • 4.1 要員の衛生及び設備
    • 4.11 手直し品
    • 4.12 回収手順
    • 4.13 保管及び輸送
    • 4.14 食品容器包装に関する情報及び顧客とのコミュニケーション
    • 4.15 食品防御及びバイオテロリズム
  • 付属書A(情報)食品容器包装及び開発する項目の比較

認証に必要な書類およびシステム要件

方針宣言・食品安全、継続的改善、法や顧客要件の遵守についての公約
HACCPプラン・全てのCCP及びOPRPの特定
・許容限界及び是正処置の監視と記録
・HACCPプランのスタッフへの迅速な公開
食品安全チーム・食品安全チームリーダーの決定
・議事録の作成を伴う定期会合
・全ての書類修正の承認及び新しいプロセス並びに製品の承認
食品安全マニュアル・ISO22000の条項への対応
・任意の他の手順を含めることも可能
・組織の構成及び責任を記述
作業指示書(PRP)・前提条件プログラム(ISO/TS 22002-1又はISO/TC 22002-4)
・関連GMP/GHPの文書化
・フードディフェンス、フードセーフティ
・使用するための配布及び文書の管理
継続的改善・食品安全問題の報告及び対処の方法
実施・システムの正常稼働の証拠
・担当スタッフのCCP訓練及び新規スタッフの採用
・CCPの記録保持
・テスト済みのリコール手順
・各種機器の校正
・方針宣言を裏付ける測定可能な目標
審査・HACCP検証(ミクロテストなど)及びHACCP妥当性確認
・内部監査の実行及び記録
・マネジメントレビューの実行及び記録