HACCP危害分析重点管理点
品質マネジメントシステムの国際規格ISO 9001をベースに、食品安全管理システムを構築するHACCPの考え方を組み込んだ当認証機関独自の規格です。国際的な基準に基づいた食品安全管理に取り組む第一歩として最適なものになっています。
対象組織は食品に関連する下記を含む幅広い業種で適用可能です。
- 農業・水産業・畜産業
- 食品製造・加工業
- レストランなどの外食産業など
- 食品の製造・加工、調理、販売、飲食店などの食品を扱うすべての事業者
HACCPを通じて、原材料から食品を製造するメーカー、運搬業者、製品を扱うスーパーマーケットや飲食店といったフードチェーン全体でのコミュニケーションが取りやすくなり、それが結果的に消費者の安心へとつながります。
認証取得の効果
認証取得によって下記の効果が期待できます。
- 従業員の衛生意識が向上
- 社外へのアピール
- 不具合対応が迅速になる
- クレーム・事故が減少する
- ロス率が差が下がる
- 海外企業を含む取引要件の達成
- 規制および顧客の要件を満たすことでデューデリジェンスの実証
- リスクを最小限に抑え、食品の危険性を低減
- 食品安全性能の向上
HACCP:2020の構成
原則 | 手順 | 項目 | |
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1 | HACCPのチーム編成 | 製品を作るために必要な情報を集められるよう、各部門から担当者を集める | |
2 | 製品説明書の作成 | 製品の安全について特徴を示す | |
3 | 意図する用途及び対象となる消費者の確認 | 用途は製品の使用方法(加熱の有無等)を、対象は製品を提供する消費者を確認する | |
4 | 製造工程一覧図の作成 | 受入から製品の出荷もしくは食事提供までの流れを工程ごとに書き出す | |
5 | 製造工程一覧図の現場確認 | 製造工程図ができたら、現場での人の動き、モノの動きを確認する | |
1 | 6 | 危害要因分析の実施(ハザード) | 工程ごとに原材料由来や工程中に発生しうる危害要因を列挙し、管理手段を挙げる |
2 | 7 | 重要管理点(CCP)の決定 | 危害要因を除去・低減すべき特に重要な工程を決定する |
3 | 8 | 管理基準(CL)の設定 | 危害要因分析で特定したCCPを適切に管理するための基準を設定する |
4 | 9 | モニタリング方法の設定 | CCPが正しく管理されているかを適切な頻度で確認し、記録 |
5 | 10 | 改善措置の設定 | モニタリングの結果、CLが逸脱していた時に講ずべき措置を設定 |
6 | 11 | 検証方法の設定 | HACCPプランに従って管理が行われているか、修正が必要かどうか検討する |
7 | 12 | 記録と保存方法の設定 | 記録はHACCPを実施した証拠であると同時に、問題が生じた際には工程ごとに管理状況を遡り、原因追求する |
HACCPの前提条件
1 | 建物及び関連施設」の構造並びに配置 |
2 | 作業空間及び従業員施設並びに配置 |
3 | 空気、水、エネルギー及びその他のユーリティの供給源 |
4 | 設備の適切性並びに清掃・洗浄・保守及び予防保全のしやすさ |
5 | 製造工程一覧図の現場確認 |
6 | 購入した資材、供給品、廃棄及び製品の取り扱いの管理 |
7 | 交差汚染 |
8 | 清掃・洗浄及び殺菌・消毒 |
9 | そ族及び混虫の防除 |
10 | 要員の衛生 |
11 | 適宜、その他の側面 |
食品衛生7Sの確実な実施
食品産業にとって微生物の存在は脅威そのもの。大量発生の危険性が極めて高く、汚染が爆発的に拡大する恐れがあり、衛生管理においても微生物による汚染排除は最重要課題の一つとして位置付けられ「食品衛生7S」は微生物の徹底排除を目的に考案されています。
認証に必要な書類およびシステム要件
HACCP 計画 | ・すべてのCCP の特定 ・許容限界および是正処置の監視と記録 ・HACCPプランのスタッフへの迅速な公開 |
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HACCPマニュアル | ・TQCSI HACCP規約の全条項に対応 ・任意の他の手順を含めることも可能 ・組織的構造および責任の記述 ・HACCPチームの任命 |
作業指示書 | ・CCPについての指示を必ず整備 ・関連GMP/GHP の文書化 ・使用するための配布および文書の管理 |
実施 | ・システムの正常稼動の証拠 ・担当スタッフのCCP 訓練および新規スタッフの採用 ・CCPの記録保持 ・テスト済みのリコール手順 ・各種機器の較正 |
審査 | ・HACCP検証(ミクロテストなど) ・内部監査の実行および記録 |